このレポートはレポート試験ですので、友人同士でレポートを見せ合わないようにしてください。一緒に勉強や議論をすることはOKです。

1. ユニポーラ―リミット(1)

絶縁破壊電界をEcr、誘電率をεs、電子移動度をμnとする。ノンパンチスルー構造を考え、また、移動度のドーピング濃度依存性を無視し、絶縁破壊電界のドーピング濃度、空乏層幅依存性も無視する最も簡単なケースを考える。

  1. Vbの耐圧を実現するために必要な空乏層幅(必要な膜厚)を求めよ。
  2. 上記を実現するためのドーピング密度を求めよ。
  3. 面積で規格化した特性オン抵抗RonAとVbの関係を求めよ。(ユニポーラリミットの式)

2. ユニポーラリミット(2)

半導体デバイスの作製については目標値に対して実際に作製した構造がずれてしまうことは良くある。上記のユニポーラリリミットになるように目標値を設定した時、以下のそれぞれのケースについてVb,RonAがどのようになるか考察せよ。

  1. 膜厚が目標値より20%薄くなってしまった場合
  2. 膜厚が目標値より20%厚くなってしまった場合
  3. ドーピングが目標値より20%大きくなってしまった場合
  4. ドーピングが目標値より20%小さくなってしまった場合
  5. ドーピング、膜厚が目標値から±10%ずれる可能性がある場合、Vbを設計通りにするためには、膜厚、ドーピングの目標値をどのように設定すれば良いか。その場合、RonAはユニポーラリミットに対してどれだけ変動するか?(最悪ケース、最良ケースを考えよ。)

3. pinダイオード

pinダイオード、実際にはp+/n-/n+ダイオードは伝導度変調によりドリフト層のn-層の抵抗よりもオン状態の抵抗が大幅に低減可能である。次のことを説明せよ。

  1. 伝導度変調の定性的な説明(言葉と図で説明せよ)
  2. 伝導度変調が起こっている時のn-ドリフト層の抵抗率
  3. 伝導度変調が効果的に生じるための条件
  4. 逆回復特性 (I, V-tのグラフを書いて) pinダイオードと逆回復時間がほぼゼロのショットキーダイオードのグラフと並べて示せ
  5. オン抵抗と逆回復特性のトレードオフ、つまり、オン抵抗を下げようとすると逆方向特性が悪化してしまう原理について定性的に説明せよ。

4. Superjunction

層状の構造ではなく2次元的な構造を考えるとユニポーラ―デバイスであってもさらにオン抵抗の低減が可能である。それを実現するSuperjunction構造について述べよ。(授業の配布資料以外にネットにさまざまな解説、技術記事があるので各自調べること。)

以上