当研究室への配属希望を提出した人は、以下のレポートに取り組んでください。〆切は2/1(火)23:59とします。電子メールで須田宛(suda@nuee.nagoya-u.ac.jp)に提出してください。

課題について面接時に質問をする予定です。レポートは、みなさんが自分で半導体の勉強をして理解を深められるかどうかを見極めるために課しています。正解を求めているわけではありません。レポートに間違いがあっても面接時の議論で間違いに気が付き訂正できれば問題ありません。


課題1 pn接合の空乏層

室温(300 K)におけるSiのpn接合を考える。p型領域のアクセプタ密度は\(2 \times 10^{16}\)cm\(^{-3}\)、n型領域のドナー密度は\(1\times 10^{16}\)cm\(^{-3}\)とする。

Siの室温における真性キャリア密度は\(1 \times 10^{10}\)cm\(^{-3}\)である。また、比誘電率は11.9である。

1) 拡散電位を単位Vで求めよ。

2) ゼロバイアス時の空間電荷密度分布、電界分布、電位分布を図示せよ。

3) ゼロバイアス時の空乏層幅を単位μmで求めよ。(ヒント: 答は0.1~10 μmの間になります。そうならないとしたら単位(おそらく長さ)の計算で間違えているか、何か重要なことを忘れているのでしょうね。)

4) 外部から電圧 \(V_a\)を印加した時の空乏層幅を求める式を書け。なお、電圧の符号は順バイアスを正とする。

5) p型領域のアクセプタ密度がn型領域のドナー密度より100倍大きいケースを考える。つまりp型領域のアクセプタ密度が\(1 \times 10^{18}\)cm\(^{-3}\)、n型領域のドナー密度が\(1 \times 10^{16}\)cm\(^{-3}\)の場合。このような接合をp\(^+\) n接合と呼ぶ。この接合の拡散電位とゼロバイアス時の空乏層幅を求めよ。

参考になる教材:

 

課題2

p\(^+\) n接合を考える。p\(^+\) n接合の場合はp型層のアクセプタ密度は計算には入ってこないのでドナー密度のみ考えれば良い。半導体の誘電率を\(\epsilon_s\)、n型のドナー密度を\(N_D\)とする。また、拡散電位を\(V_d\)とする。

逆バイアス電圧\(V\)が印加されたときを考える。(前問とは異なりここでは電圧の符号は逆バイアスを正ととる。)

  1.  空間電荷密度分布、電界分布、電位分布を書け。
  2. 空乏層幅を求めよ。
  3. 最大電界\(E_{max}\)を求めよ。

半導体は電界強度が絶縁破壊電界\(E_{cr}\)に達したところで絶縁破壊を起こす。つまり上式で\(E_{max} = E_{cr} \)となる電圧が絶縁破壊電圧となる。また、その電圧が印加時の空乏層幅の分ぴったりのn層の厚みを用意しておくとする。

所望の電圧まで絶縁破壊電圧を高めるためには、ドーピング密度を下げて、n層の準備しておく厚みを厚くする必要がある。しかし一方でn型層はパワーデバイスがON(導通状態)になった時に抵抗体となってしまい、導通時の損失につながる。

断面積Aのn型半導体層の抵抗Rを求めよ。(A, N_D, 層の厚さW, 電子移動度μを用いて。)

以上の式からN_DとWを消去すると、耐圧とオン抵抗の関係式が得られる。導出せよ。

 

参考になる教材:(上記の話の答そのものを解説しています。0:31以降のところですね。)

課題3

  • 当研究室を志望した理由
  • 当研究室でやりたいこと・身に着けたいこと
  • 小学校~大学で勉強以外に頑張ったこと、アピールポイント クラブ活動、趣味・特技、バイトなど

をA4用紙 1枚にまとめてください。箇条書き程度でも良いです。面接時に話をするきっかけにしたいと思います。


 

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