研究室配属希望者へ
- 研究生を志望される方へ(現在受け入れを行っていません)
- 外部から博士前期課程を志望される方へ
- 外部から博士後期課程を志望される方へ
卒業研究配属希望者へ(電気電子情報工学科・学部生)
2024年度スケジュール
- 2024/1/12-18 電気系公式見学会 (須田研は1/18)
- 2024/1/18 17:30-18:30+α 個別見学・相談会(C-TEFs 6Fエレベーター前集合)
- 2024/1/19 12:00-13:00+α 個別見学・相談会(C-TEFs 6Fエレベーター前集合)
- 2024/1/19 17:30-18:30+α 個別見学・相談会(C-TEFs 6Fエレベーター前集合)
個別見学・相談会は各回10名以内(理想は6名以内)としたいと思います。個別見学会参加希望者はsuda@nagoya-u.jpまで事前に知らせてください。上記時間帯に都合の付かない人は個別に説明・相談可能ですのでメールで相談してください。
- 2024/1/19 22:00までに 課題発表
- 2024/1/23 配属希望調書提出〆切
- 2024/1/30 23:59 課題提出〆切 (電子メールで須田宛に。期間内なら再提出も可能。)
- 2024/1/31~2/6のどこかで面接実施
- 2024/2/13 面接結果
研究室の配属希望者は課題レポート(*)を提出して頂く必要があります。学業成績、レポート内容、面接(レポートの内容について質問、志望動機、熱意などを見ます)で総合的に判断します。(学業成績が良いことはプラス要素ですがそれが全てではありません。)
(*) 課題レポートは極めて重要です。みなさんが既に知っている知識を問いたいわけではありません。(それは多いにこしたことはありませんが、そんなものは皆さんがB4、Mで学ぶことに比べればわずかなものに過ぎません。)お題(問題)に対して、みなさんが真剣に勉強してどれだけの知識を仕入れて、それをしっかりと理解できるかを見たいのです。表面的にちょっと調べて解くような取り組みではなかなか難しいと思います。
今年度の配属枠は4名(例年通り)です。
研究室合同見学会のスライド
学生たちの声(2022はコロナで作成しそびれました)以下をクリックしてください。
在学生の声2024 (見学時に配布します)
研究室の方針(読み物)
須田 淳
研究者はクリエイターだ!
文系の人と話していると理系の研究はきっちりと道筋が決まっていて理詰めでいいですね、と言われます。「それは大きな誤解ですよ!」と否定して、丁寧に説明しなければなりません。
確かに、大学入試の物理や数学は答えがただ一つで理詰めです。(答えが複数になると文句がでますので問題をガチガチに固めて答えがたった一つになるように苦心して作ります。)文系の人は大学入試が理系と勘違いしているのです。入試の問題はいってみれば詰将棋です。理系の研究においては、日々の実験やデータ解析の一つ一つは詰将棋的にきっちり詰めなければいけません。でも、理系の研究者の腕の見せ所は、将棋で言えば序盤や中盤の独創的な戦略、アプローチなのです。理系研究者というのは創造者、クリエイターなのだと私は思います。そもそも世の中には様々な問題があって、そのどの問題に目をつけて、どのように攻略するかを考え、そのためには必要な装置や予備実験を行うところまでが研究の8割、あるいは9割を占めているといっても過言ではありません。最後の詰将棋のパートは非常に重要ではありますが、重みとしては1,2割です。
画家はキャンバスに絵具で自己を表現しますが、理系研究者は自然科学と論理的思考、実験(評価分析や試作)によりで自己を表現するのだと私は思います。まだ誰も気付いていない新しい現象の発見、皆が頭を悩ませている現象の解明、誰も思いつかなかったような新規構造や新規作製手法の考案(発明)など、これをクリエイティブな活動と呼ばずして何と呼ぶのでしょうか?工学とは人類の幸せにつながる技術を創造する素晴らしい学問なのです。
レオナルドダビンチは芸術家でもあると同時に土木や機械工学の偉大な発明者でした。当時の科学技術はシンプルでしたので芸術と工学は隣接した分野だったのです。科学技術が複雑になってきたために分かれてしまいましたが、今でも芸術と工学には共通のものが流れていると思います。
ところで、芸術には絵画、彫刻、書などいろいろあり、それぞれにさまざまな流派、例えば、印象派やキュビスム、があります。同じように工学も流派があります。当研究室は「半導体デバイス」を対象にして、半導体物理学、半導体デバイス物理学に基礎基盤をおいてクリエィティブな活動を行う研究室です。
当研究室は、手持ちの機材でできることは労を惜しまずにとことんやる、深く広く考えを巡らせて徹底的に頭を使う、そしてそれを論理的に、かつ、分かり易くまとめてプレゼンテーションするということに重点を置いています。研究をする方も、指導する側も大変ですが、研究室に来てくれた学生たちはめきめきと成長して、博士前期課程を修了するころには立派な研究者の卵となります。学生のみなさんが、思いついた実験を面倒くさがらずに一生懸命やってくれたおかげで発見できた現象や、得られたデーターを失敗とは思わずそこから何かひねり出してやろうと努力して生まれた成果が数多くあります。教員がアドバイスしたことにとどまらず、その一歩、二歩先まで自分で考えてやる学生というのが当研究室の誇りであり強みです。
研究とはどういうことなのか
科学系のクラブで活動していない限り、研究室配属時点のみなさんが研究について具体的に想像することは難しいと思います。学生実験で研究の一端は味わえますが、やはり学生実験です。
研究には正解はありません。テーマによってはできるかどうかさえわからないものもあります。研究を続けた結果、当初のアイデアが不可能なことを証明することになってしまうかも知れません。大学教授は何でも知っているかと勘違いしている学生さんが多いですが、研究に関しては、教授もどうなるかわからないでやっているのです。(他の研究室の教授は分かっていて私が分かっていないだけかも知れませんが。)ただし、長年の経験、膨大な知識に基づいた勘やひらめきがあって、これはこうすれば突破できるかもとか、ここに糸口がありそうだとか、それなりの考えはあります。でも、その考えが当たるかどうかは分からないのです。それほど大したことない考えだと結構な確率で当たりますが、すごいアイデアであればあるほど、当たる率は低くなります。大学の強みは、非常に粗削りな学生とベテラン研究者(教員)との相乗効果です。そんなことはベテランはしないだろうということを学生がして、思わぬ突破口が開かれることがあります。(それと同じくらい、やってはいけないことをして素子を破壊したりもしますが。)面白いと思いませんか?
卒業研究の指導方針
まず半導体の勉強をしっかりしてもらいます。毎年、春学期には勉強会を行っています。教科書の勉強だけではなく実際に素子を測定したり、測定データの解析などを通じて、基礎の重要性を理解してもらって勉強できるようにしています。
卒業研究では皆さんに研究がどういうものなのかを分かってもらうのが一番大切だと思っています。なかなか結果がでない壮大なテーマというよりは、比較的こじんまりとした分かり易いテーマを用意しています。いってみれば詰将棋的なテーマで、こうやって、ああやって、この部分で頑張れば何か結果が出そう、というテーマです。(とはいっても過去に報告されている追試ではなく、実験する内容は新しい内容です。)努力をすると報われる可能性の高いテーマとも言えます。そこで研究者の最初の修行をしてもらい、卒業研究をやり遂げたという達成感を味わってもらいます。その次は博士前期課程の2年間をかけて取り組むような、少し難しく、また、完全には展開が読めないテーマに挑戦してもらいます。
博士前期課程(修士)をやり遂げたら、研究者の「卵」と呼べる人材になっていると思います。じゃあ、研究者の「ひよこ」になるにはどうしたらよいか?プラス3年間の博士後期課程に進学して、大きなテーマに自分の力で立ち向かうことが必要になります。学位(博士号)を持っている人は、自分で考えて研究を進められる人です、研究者のひよこ、いや、博士の学位を名大から授与される頃には巣立つ若鳥になっていることでしょう。
せっかく世界トップレベルの名古屋大学に入ったのですから、研究者の卵で終わらずに、若鳥になって羽ばたいて欲しいと思っています。昔の企業は余裕がありました。研究センターや研究開発部には大学の先生のような立派な室長がいて、研究者の卵をしっかり若鳥に育ててくれました。なので、私が学生の頃は「優秀な修士の学生を送り出してもらえれば我が社でしっかり育てます」というスタンスだったのですが、今はなかなかそうはいきません。むしろ、しっかりした研究室で博士課程の研鑽を積んだ人材を企業も求めています。実際に私の教え子の多くが博士学位取得後、企業に就職し、研究・開発部門あるいは基礎研究所で活躍しています。
卒業生の進路
まだできて7年目の研究室ですが、卒業生の就職先は以下の通りです。
デンソー、村田機械、三菱電機、豊田自動織機、ファナック、ソニー(セミコンダクターソリューションズ)、キオクシア、Micron(マイクロンメモリジャパン)、村田製作所、野村総合研究所、東芝デバイス&ストレージ、国家公務員(文部科学省)、
毎年1,2名博士後期課程に進学しています。